(1) グスタフ・マーラーの交響曲
グスタフ・マーラーの交響曲、全曲。
一曲を選ぶならば、第2番ハ短調≪復活≫。
1891年、マーラーは、ハンブルク市立歌劇場の首席指揮者として
迎えられた。ここでは、ブタペスト時代と違って、ハンス・フォン・ビューロ
ーの絶大な支持を受け、ブタペスト時代から始めていた≪第2交響曲
≫を完成した。
マーラーの生涯を覆う悲劇の予感は、その多くが常に現実となった
ことで知られている。偉大な指揮者・ハンス・フォン・ビューローの死と共
に、この時期、肉親達の死にも遭遇している。
暗く重い冬景色。ロシアの大地を覆う厳しい気候は、そのままドストエ
フスキーの世界でもあった。勿論、ドストエフスキーは風景作家ではな
い。人間の内奥、その見えざるところを描き切る作家であった。そして、
誰の目からも明らかでない混沌の世界が、彼の小説の色調であり、
また、ハーモニーでもあった。
だが、「人間の混沌」の中に、「人の子」キリストと精霊の実在を、
読者は必ず、感じ取っていく。苦悩と悲劇が織り成す世界の中で、数
条の光明は容易に見出せないが、その感得は決して不可能ではない。
その死後、約50年を経て、マーラーの偉大な芸術は脚光を浴びた。
ブルーノ・ヴァルター、レナード・バーンスタイン・・・・・・、二人の偉大
な音楽監督が、「今日の隆盛」に大きく寄与したことが知られている。
私は、マーラーの作品に、ドストエフスキーの世界を見出す。そして、
その世界の片隅に存在するだけの「キリスト教の祈り」が、いつか、こ
の世界に行き渡っていく、「混沌の中の調和」を深く実感する。
今日、グスタフ・マーラーの諸作品は、多くの指揮者達の演目となっ
ている。先に書いた二人のイスラエル系アメリカ人指揮者のほか、
サー・ゲオルグ・ショルティ、サイモン・ラトル、小澤征爾、等々・・・
・・・。
DVDとしては、2003年、ルツェルン音楽祭オープニングの公演が
ある。ベルリン・フィル勇退後、新生ルツェルン祝祭管弦楽団を指揮
した、クラウディオ・アバドも亦、マーラー芸術に打ち込んできた一人で
ある。
マーラーの交響曲の幾つかには、独唱と合唱が入った楽章がある。
このルツェルン音楽祭では、エテリ・グヴァザヴァ(ソプラノ)、アンナ・ラ
ーション(メゾ・ソプラノ)が参加し、共に美しい声を披露した。
- 回答日時:2011/6/17 14:24:41
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